今回は、デジタルに勉強を頑張る現代の医学生に向けて、いざというときに困らないための方策を紹介します。
デジタル医学生急増
ご存知の通り、PCやタブレットで勉強する医学生が急増しています。
教科書を裁断してPDF化しデータとしてタブレットで持ち運んだり、ノートをとるのにiPadを利用したりされている方も多いのではないでしょうか。
また、テキストをデジタルデータで配布する医師国家試験予備校もあったりと、医学生の勉強はどんどんデジタル化しています。
デジタルデータは非常に便利です。重い教科書やノートも、タブレット一つで全部持ち運ぶことができるし、ノートをデジタル化してけば、加筆修正や検索が簡単にできます。
筆者も自分用の「まとめノート」的なものを作って活用しています。
デジタルデータのリスク
紙媒体のデータに「紛失」や「汚損」のリスクが伴うように、デジタルデータには必ず「消失」や「損壊」のリスクが伴います。
手持ちのタブレットが壊れたり、何かのはずみでデータを永久に削除してしまったり、インターネット内外から攻撃を受けたり、意図せずデータを編集し復元不能になってしまったりと、大切なデータを失うリスクがつきまとうのです。
6年間コツコツ勉強してまとめてきたノートが、医師国家試験の1ヶ月前に全部失われることだってありえるのです。想像しただけで恐ろしいことです。
「私はそんなどんくさいことしません」「私の使ってるサービスは大丈夫」と思われた方も多いでしょう。
しかし、例えば自分の利用しているサービスが突然サービスを停止したり、ネット上に保存していたデータがサービス側の過失で失われる可能性だってゼロではありません。どれだけしっかりしているようにみえるサービスでも,企業である以上突然の倒産だってありえるし,何かの間違いでデータが失われることもありえます。
デジタルデータを扱っている以上、誰もが「消失」「損壊」のリスクを背負っています。万が一が起こったときに嘆くのでは遅いのです。
バックアップしてますか?
上記の対応策として「バックアップ」をとっておくことが重要です。
紙媒体のデータをバックアップするとなると、すべてを複写しなければならないので非常に手間がかかりますが、デジタルデータならば、そこまでの手間は不要です。
せっかくデジタルに勉強しているなら、データの確実なバックアップまでやっておきたいものです。
サービスのクラウドを利用
バックアップの一つの方法として「サービスのクラウド」を利用する方法があります。
例えばEvernoteなら、データをすべてネット上にアップロードし、複数の端末からの閲覧・編集が可能です。
その他のサービスにも同様の機能が備わっていると思います。
これを利用しておけば、どの端末からもアクセスできることに加えて、仮にiPadなどの端末が壊れても、大切なデータを守ることができます。
但し、注意しなければならないことが2点あります。
一つは、端末上で誤ってデータを削除などしてしまうと、サービスのクラウドは忠実にこれを反映してデータを削除するため、復元できなくなる可能性があることです。削除されたデータが一定期間「ゴミ箱」などに保存されるサービスを利用するとこのリスクを抑えられるかもしれません。
もう一つは、そのサービス自体が倒れた暁には、問答無用でデータが失われるということです。いくらサービスのクラウドに保存してあったとしても、そのサービスが不具合を起こしたり、サービスを停止したりしたら我々ユーザーにはどうしようもありません。ちゃんとしたサービスならそのような事態に陥る可能性はかなり低いでしょうが、それでもゼロではありません。
サービス外でのマイバックアップ
サービスに付属するクラウドは是非利用するべきだと思いますが、上に記したようにこれだけでは不十分かもしれません。
そこで、上記に加えて「ローカルデータ」としてもバックアップをとっておくことを強くおすすめします。
ローカルデータとは、ネット上ではなく、ユーザーの端末内に保存されているデータのことです。
多くのサービスには、「エクスポート」といって、データを書き出す機能が備わっています。
この機能を利用してデータを書き出し、自分のPCやUSBメモリなどのローカルな環境に保存しておくのです。
万が一利用しているデータに不具合が起こった場合は、過去に書き出したデータを再度アプリケーションに「インポート」することで、データを書き出した時点の状態へ復旧することができます。
また、万が一利用しているサービスが倒れたり、データを消失されたとしても、自分自身の環境にバックアップをとっておけばデータ自体を失うことはありません。
保存先は、自分のPCやUSBメモリ、外付けHDDなどが一般的かと思いますが、サービスが提供しているクラウドとは別のクラウドサービスを利用するのも手だと思います。
例えば、「Evernoteで書き出したバックアップデータをOnedriveに保存しておく」などです。
このようにしてデータを二重三重に持っておけば、その分復旧できなくなるリスクを抑えることができます。
バックアップの周期
バックアップの頻度は多ければ多いほど良いと思います。
万が一のことが起こったとき、しばらくバックアップをしていないと、最後にバックアップしたときから今までの学習データはすべて水の泡になってしまいます。
逆に、直前のバックアップデータがあれば、すぐ前の段階までの逆戻りですみます。
私はEvernoteを主軸にノートを作っていますが、基本的に毎日バックアップの作業をするようにしています。
まとめ
案外盲点になりがちですが、デジタルデータを活用して勉強しているなら、バックアップは必須です。
- クラウド保存によって端末間で同期できるサービスを選んで利用すること
- データの書き出し(エクスポート)を行い、自分自身の環境(PCやUSBメモリなど)、他のクラウドサービスにも保存しておくこと
- できる限りの頻度でバックアップを行うこと
などに注意されると良いと思います。
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