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【医師国家試験】国試の英語問題はどう対策する?

医師国家試験
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※この記事はシリーズ「医師国試Q&A」の一部です。

今回は、

国試の英語問題はどのように対策したら良いでしょうか!?

必修で英語の問題の出題が難化していくと聞いたので、何か勉強しておきたいです・・・

との質問をいただきました。

ありがとうございます!

以下に、英語問題への対策そのもののアドバイスを交えつつ、英語問題に関わらず医師国家試験での戦いを有利にする提案をさせていただきます!

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医師国家試験 英語問題の現状

医師国家試験の必修ブロックでは、英語に関する問題が出題されることになっています。

「医師国家試験出題基準 平成30年度版」によると、必修問題の約2%が「一般的教養事項」から出題されるとのこと。

その「一般的教養事項」の中の項目として、「診療に必要な一般的な医学英語」と記載があります。

したがって、必修の約100問のうち、数問程度は英語問題が出題される可能性があるということです。

 

一例として、第113回医師国家試験に出題された問題です。

(113B34)

A 25-year-old man comes to your clinic complaining of abdominal pain for the past two days. Yesterday, the pain was periodic and located around the periumbilical area. Today the pain is persistent and located in the right lower quadrant. He feels feverish. He does not smoke or drink alcohol. His body temperature is 37.7℃, blood pressure is 126/62mmHg, and pulse rate is 94/min, regular.
Which one of the following should be done next?


a perform a CRP test
b examine for peritoneal irritation
c administer a broad-spectrum antibiotic
d perform an abdominal CT with contrast
e perform an upper gastrointestinal endoscopy

ご覧の通り、普通に症例問題ですね(笑)

若い女性が心窩部→右下腹部へ移動する腹痛を訴え、発熱をきたしており、虫垂炎や異所性妊娠を鑑別する問題でしょう。

 

昨今の事情を勘案するに、単に「日本語→英語」や「英語→日本語」を問う単純な問題は、今後出題されなくなり、日本語の症例問題をそのまま英語にしたような出題が増えるのではないでしょうか。

問題全体にヒントが散りばめられることになるので、英単語を直接知らなくても正解できる余地が生まれ、「英単語知らないからお手上げ!」という状況にはなりにくくなると思います。

また、出題される疾患は、上記問題のように病歴が非常に典型的なものでしょうから、その意味でも、英語問題を過度に恐れる必要はないでしょう。

 

但し、症例問題をそのまま英語にしただけということは、病名だけでなく、症状・身体所見・検査やその所見、解剖学・生理学・薬理学などなどに関わる英単語も知っておかなければならないという点には注意が必要です。

また、虫垂炎や深部静脈血栓症→肺血栓塞栓症といった典型的な病歴が出題され尽くして、今後は込み入った病歴の出題がある可能性はあります。

1問が命取りになる必修問題ですから、これらに備えて対策をしておくことは重要でしょう。

 

ちなみに、上記問題の解答は

b examine for peritoneal irritation(腹膜刺激症状の確認)

です。しかしなんと、

d perform an abdominal CT with contrast(腹部造影CTの撮影)

を選んでしまった受験生が70%近くいたようです。

 

この問題文ではまだ病歴とバイタルしかとられていません。検査の前には身体所見をとって検査前確率のあたりをつけることが鉄則ですから、適切なフィジカルアセスメントが選択肢にあれば、検査より先にそちらを選ばなければなりません。

6年生の受験生ともなれは皆そのことをよく理解しているはずで、日本語での出題であれば正答率はもっと高かったであろうと推察されます。

それでもdの腹部造影CTに走ってしまった受験生が多かったのは、「peritoneal irritation=腹膜刺激症状」という言葉の意味を知らなかったからではないでしょうか。

 

こういった例からも、病名にとどまらず、検査や身体所見に至るまで、広く医学英単語を知っておくべきであるというメッセージを得ることができますね。

お急ぎなら医学英単語を!

対策の時間が十分なく、とりあえず英単語の問題を落とさないようになりたいという方は、なにより医学英単語を勉強されることが大切でしょう。これ以外の特別な対策は必要ないと思います。

以下に方法を2つ紹介します。

日本語の必修問題でも英語を気にしておく

急ぎといってもある程度時間のある方は、普段日本語の必修問題を勉強される中で、英単語を調べておく癖をつけておくと良いと思います。

さすがに問題文全てについて調べるのは非効率ですので、

日本語の必修問題を解く際に、「この問題が英語で出題されたら?」と想定する時間を設け、解答のポイントとなった文言について英単語を調べる

といった方法などいかがでしょうか。

普段の勉強に一手間加わりますが、コツコツ勉強される方にはおすすめの方法です。

但し、ネットで「〇〇 英語」などと検索すると、一般にあまり用いられない英単語が出てくる可能性がありますので注意が必要です。できれば医学和英辞典を使いたいところです。

単語帳を使う

もっと時間に余裕のない方や、「そんなのめんどくさい」という方は、短期集中で英単語帳を使われるのが良いと思います。

英単語帳というと仰々しく聞こえますが、パラパラと適当に読んでおくだけで大幅に効果が得られると思います。医師国家試験は所詮選択式であり、選べればそれでOKな試験ですので。

以下におすすめの英単語帳を紹介します。1冊は手にしておきたいですね。

医学英単語 (メディエイゴBOOKS)〜リズムでしみこむ,ゴカンでひらめく

外観は一般的な医学版の英単語帳。特徴は接頭辞や接尾辞での並びになっていて効率よく勉強できる点。ちょっと古いのが難点。

キクタンメディカル

言わずと知れた英単語帳「キクタン」の医学英単語バージョン。

医師国家試験対策なら<2>→<3>→<1>の優先順で勉強されると良いでしょう。

トシの医療英単語シリーズ

私のイチオシはこれ。1冊目(青)は臨床系、2冊目(赤)は基礎系といった感じで、いずれも短期間で効率よく医学英単語を覚えることに主眼を置かれた書籍です。

単なる単語の羅列ではなく、ストーリー性やわかりやすい解説があり、もはや「単語帳」ではありあせん。

もちろん接頭辞・接尾辞を意識しつつ、効率よく学べるように配慮されています。

最もストレスを感じることなく学べる医学英単語帳といっても過言ではないと思います。

 

医者たまごの英語40日間トレーニングキット

英単語帳ではありませんが、こちらも紹介しておきます。

様々な臨床場面を想定し、視覚・聴覚をフル活用して英単語を学べます。

余裕があるならUSMLE対策も!

筆者は執筆時点でUSMLE(米国医師国家試験)のSTEP1(基礎分野)、STEP2 CK(臨床分野)に合格しています。

(体験記・USMLEの紹介はこちら)

【シリーズ】医学生5年目のUSMLE STEP1 合格体験記
私は2018年(5年在籍時)にUSMLE STEP1をPASSしました。 これから受験される方やUSMLEに興味のある方へ向けて、私の体験を記していきます。 USMLE STEP1の合格体験記とし...
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正直、日本の医師国家試験の英語問題で困ることは一切ありません。過去問演習を何年分もこなしていますが、英語問題を落としたことはありません。

ありがたいことに、「医師国家試験の英語問題」に対しての不安は一切なく、USMLEの勉強をしていてよかったな、と思います。

 

「だから、USMLE対策をやるといいよ!」

とお伝えしたいわけではありません。医師国家試験で数題しか出題されない英語問題のために、USMLEの勉強をするのは明らかにオーバーロードです。

 

 

しかし、USMLE対策が、医師国家試験全体の得点率を上げ、合格を確実にしてくれるとしたらどうでしょうか。

USMLEの問題集、本番の問題を合わせて1万問近くは勉強しているであろう私の感覚ですが、日本の医師国家試験はどんどんUSMLEに似通ってきているように思うのです。

そもそも日本の医学教育は米国をお手本にしているところがあり、CBTもUSMLE STEP1をお手本に作られたと言われています。

 

医師国家試験の合格をより確実にするための方策、気になった方は是非以下の記事も御覧ください。

【医学英語の勉強が医師国家試験対策に!?】今後の医師国試の展望と対策
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