新しい目標に向かって勉強を始め、それを大成させるには、確固たる意志と努力・時間が必要です。
筆者自身も、大学受験にはじまり、医療に関わる資格を中心に様々な試験を受験してきました。

(大学受験)

(医学生が受験する全国共通の試験)


(米国医師国家試験)
今回は、以上のような経験も交えつつ、初学者が資格試験や受験勉強で挫折しないためのコツを記録しておきたいと思います。
初心者が挫折する理由
そもそもその道の初心者が、資格試験・受験勉強で挫折するのはなぜでしょうか。
それはズバリ、理想と現実のギャップです。
当たり前ですが、初心者は新しいことを勉強し始めるにあたり、かなりモチベーションが高まった状態にあります。
「勉強するぞ!合格するぞ!これだけのモチベーションで頑張れば、それなりに成果が得られるはずだ!よしやるぞ!」
という理想を抱いている状態です。
しかし、あなたは右も左もわからない初心者の段階。
「あれ・・・勉強が全然進まない・・・しんどい・・・向いてないのかな・・・やめようかな・・・」
と現実を突きつけられることになるのです。
初学者の挫折モデル
このギャップを図示すると以下のような感じになるでしょうか。
【初学者の挫折モデル】と名付けましょう。
<勉強初期>
- 知識が少なく断片的である上、伸び率も小さい。
- 伸びが感じられないため時間ととともにモチベーションが低下する。
<学習量が増えてくると>
- 全体像が見え、各知識の繋がりもわかってきて、吸収できる知識量・成果は急峻になっていく。
- 伸び率の上昇に引かれるようにるようにモチベーションも回復する。
以上の性質を理解すると、挫折しないためのコツ・勉強法も見えてきます。
挫折しないための5つのコツ
計画は立てるな!?
「勉強するときはしっかり計画を立てましょう」
小学生でも知っているであろう勉強のルールです。
しかし、これは初学者であるほど気にする必要のないルールです。
全体像がわからないで、どうやって計画を立てるというのでしょうか。
初学の方は是非自分が勉強していることことに当てはめて考えてみていただきたいのですが、
- 何が問われ、どういう知識が必要なのか
- 出題事項はどのような分野に分けられるのか
- 全体の知識ボリュームはどの程度か
- 頻出事項とそうでない事項は何か
- どの分野に労力が必要そうか
などなど、初学者は答えられなくて当然です。
「計画を立てる」とは「何をいつまでにどのように実施するかの見通しを持つこと」です。
初心者が綿密な学習計画を立てるのは不可能です。
全体像を見渡せるようになることが先決です。
とにかく早く全体像を見渡せ!
方法は問いません。あなたの資格試験・受験勉強で評判の良い参考書や問題集を使ってください。
最も重要なことは、
「なんでもいいからとにかく1周してみること!」
上述の通り、計画は不要、可能な限りのスピードで進めます。
「内容は充実させなくて良いの?」
ーもちろんできる範囲で充実させましょう。
しかし、「わからない」「しんどい」「めんどくさい」と思ったらスピードを優先しましょう。細かいことは気にしない!一番の敵はモチベーションの低下です!
冒頭の【初学者の挫折モデル】的には、「カバー知識」の大きな円(出題範囲)が、薄い緑でいいから満遍なく小さな円で満たされるようにするイメージがが大切です。
適当で結構!細かいことは気にしない!
「木を見て森を見ず」という言葉があります。
「物事の一部に気をとられて、全体を見渡すことを忘れる」といった意味です。
資格試験・受験勉強の初心者は特に「木を見て森を見ず」になってはいけません。
資格試験や受験勉強にあたり、必ず問題集を解くことになると思いますが、
よくあるのは「出てきたことをすべて勉強してしまう」という過ちです。
例えば、
- 間違い選択肢まで全部勉強している
- 出題された問題の参考書の該当ページは全部読み込んでいる
- 解説は全部理解するように心がけている
- 1問を大切に、完全に理解して次へ進んでいる
該当する点があれば、要注意です。
全体像が見えていない、つまり、力加減のわからない状態で、1から10まで理解する必要はありません。むしろ時間の無駄になる可能性の方が高いです。
モデルをご覧頂いて分かる通り、どうやったって、最初は知識の定着効率は悪いのです。ここでエネルギーを使ってやる気を失うくらいなら、ある程度雑でいいから前に進んで全体像を把握することに尽力したほうが効果的でしょう。
例1)
「a.〜e.までの5択の問題でa.が正解。b.には以前勉強したことがあるけどあまり詳しくない用語、e.には初めて見聞きする用語がある」
正解のa.については皆が勉強するでしょう。問題はb.やe.です。
b.はある程度慣れ親しんだ用語のようですので復習してみても良いかもしれませんが、e.は必ずしも勉強する必要はありません。
余力があればe.の勉強をしても良いですが、それがストレスになるくらいなら「あぁ〜そういう言葉もいずれ理解していないといけないんだなぁ〜わかりました〜」程度で次へ進んでしまいましょう。
例2)
「解説の意味が理解できない。」
この問題と今生の別れをするわけではありません。理解できないならスルーしてしまいましょう。
全体の基礎知識があれば理解できるようになるかもしれません。初心者の段階で、その部分だけ見て「理解できない」と憂いてもフラストレーションが溜まるだけです。
繰り返しになりますが、大切なことは早急に全体像を把握すること。
枝葉末節の細かいことは大雑把に、「ふーん」「あら、そうなの」程度で次へ進む姿勢が大切です。
初心者であればあるほど、
「木は気にせず森を見渡す」ようにすべきです。
参考書・問題集は1回でさよならじゃない!
「小さいことは気にするな」と申し上げましたが、決してその参考書や問題集をないがしろにするわけではありません。
少数の参考書・問題集を厳選して、それを深くまで理解することが大切です。
1回目は上述の通り、小さいことは気にせず、全体像の把握に使う。
2回目以降で、
- 以前は前提知識が及ばなかったためスルーしていたが、今なら理解できそうになっている項目
- 前回の演習で少し慣れ親しんだ項目
- 全体に占める重要度が高い項目
などなどにフォーカスして、各問に対する理解を深めていきます。
冒頭で提示した【初学者の挫折モデル】でも分かる通り、勉強が進めば進むほど、知識は増え、これらが多角的に繋がり、単位時間あたりに吸収できる分量は増加していきます。
カバー知識についても、学習を重ねるごとに小さな円が同心円状に大きくなっていくイメージです。各円の重なりも増える、つまり各項目どうしの繋がりがわかってきます。
だからこそ。1回目に取り組むときは、大雑把に全体像を把握、2回目以降の取り組みで理解を深めていくイメージが効率的でしょう。
問題集の具体的な取り組み方については、私が大学受験時代に活用していた演習方法を紹介していますので、気になる方はご覧ください。

熱くなりすぎるな!
これは気持ちの持ち方の問題ですので、軽く考えてもらえば結構です。
【初学者の挫折モデル】で示した通り、資格試験・受験勉強の初心者が挫折する理由は、「モチベーション」と「到達度・知識」のギャップにあります。
このギャップを小さくする一つの方法が、「モチベーション」側を低く保つことです。
これは難しいことだと思いますし、モチベーションが高いことは悪いことではありませんので、
「モチベーションは維持しつつも、モデルをよく理解して、勉強に対する成果に過度の期待を抱かない」
という意識を持ちましょう。
【初学者の挫折モデル】で到達度・知識の伸び率が増加し、モチベーションが自然に引き上げられる段階に到達できるまで、モチベーションの低下に耐えてとにかく学習を継続していることが重要です。
勉強が進んでくると、到達度・知識吸収の速度上昇に伴って、モチベーションも自然に上がってきます。
まとめ
資格試験・受験勉強の初心者向けに、挫折しないコツをお伝えしてきました。
様々な資格試験や受験勉強だけでなく、他の色々なことに活用できると思いますので、是非参考にしていただければと思います。
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