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「医学部→解剖」の連想を捨てよ。

医学部
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(※この記事は、シリーズ「医学部医学科の合格者に告ぐ。」の一部です。)

【シリーズ】医学部医学科の合格者に告ぐ。
医学部生活6年目を迎えようとしている筆者が、医学部医学科に合格・入学を果たされた皆さんに向けて、知っておいていただきたいことを発信するシリーズです。 (記事更新のモチベーションの8割は筆者と同じ...

医学部に通っていると「忙しいんでしょ?」という質問を投げられることは以前記事にした通りです。

医学部って忙しいの!?医学部生活のOverview。
(※この記事は、シリーズ「医学部医学科の合格者に告ぐ。」の一部です。) シリーズ第一弾は、医学部での生活全般について。 「忙しい」というイメージの医学部における学生生活の実態はどうなのか ...

一方で、同じかそれ以上の頻度で飛んでくる質問が、

「もう解剖したのか!?」

という質問です。

これにも現れているように、医学部教育において最も注目を受けることの一つが、「解剖学」です。

入学後最初にする「医学部らしいこと」であるのでムリもありませんし、もちろん大切にすべき重要な科目です。

一方、形態学である「解剖学」と同じくらい重要視しなければならないのが、「機能学」である生理学です。

今回は、医学部の学生に、「解剖学」と同じくらい注目してほしい「生理学」について紹介します。

 

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形態学と機能学

何かについて系統的に説明する際には、必ず「形態学」と「機能学」の両方が必要となります。

 

例1)公衆電話

機能:特定の電話番号を指定することで、別の電話端末を操作する人と通話することができる。

形態:テンキー・画面と、受話器からなり、通信用のケーブルを有している。

 

例2)鉛筆

機能:紙上に線を引いたり、消したりすることができる。

形態:炭素でできた芯とこれを取り囲む木材からなる細長い形。断面は円や六角形で、一端には消しゴムがついている。

 

形態学・機能学はいずれも重要であって、いずれかが欠如すればその物体を説明することが極めて難しくなります。

上記の例で、機能と形態のいずれかのみを読んでその全容が理解できそうか試してみるとおわかりいただけるでしょう。

また、「形態→機能」の順で理解を試みるよりも、「機能→形態」の順に理解を試みるほうが容易な場合が多いはずです。

何をするものかわかっていない状態で、外から見た形だけ伝えられてもイメージが難しい一方で、そのモノの機能や目的を理解した上で、形態を伝えられれば全容を理解しやすいのはご理解いただけると思います。

何かしらの機能を発揮することを目的としてその形態となっているのですから当然のことです。

 

医学に置き換えて

医学の基礎となる人体について学ぶ場合にも、もちろん「形態学」と「機能学」に大別することができます。

上述の通り、医学部の講義・実習として注目の的である解剖学は、人体に関する代表的な「形態学」です。

では機能学の代表として重要なのはなんという学問かというと、

「生理学」

です。

何度も強調しますが、医学を修める上で、「解剖学」も「生理学」も甲乙つけがたく重要な学問です。

しかし、上述した通り、「何かしらの機能を発揮することを目的としてその形態となっている」という仕組み上、「機能学=生理学」→「形態学=解剖学」の順で学習する方が、効率良く深く学べると個人的には考えています。

ところが現実は、「解剖」と「医学部」の概念・イメージの結びつきが強い影響か、新入生の多くが解剖学ばかりに注目して、生理学の重要性に気づくのが大変遅いように感じます。

生理学の重要性

機能学としての生理学の重要性を以下に紹介したいと思います。

生理学とは

「生理学」という言葉の意味を調べてみると、以下のような記述がありました。

 

生物学の一分科。生体の機能を、個体、器官、組織、細胞のレベルで物理・化学的に研究する学問。

本来は生命現象一般を扱うものであったが、歴史的な展開の中で、まず病理学、形態学が分かれ、さらに生化学、薬理学なども分かれたため、現在生理学が専門的に扱うのは、神経生理学や筋肉生理学のほか呼吸・消化・循環・排出・生殖などの分野だけである。

「百科事典マイペディア」より引用

 

2文目がやや煩雑ですね。

詰まる所、昔は体の機能全般をカバーするオールマイティな学問だったものの、学問が細分化する中で、まず形態学(解剖学など)が分かれ、病理学(病気になる仕組みを解明する学問。生理学の病気版みたいなもの)が分かれ、さらに細かい分子動態を扱う生化学や、薬が人間の仕組みにどのように働くのかを説明する薬理学が分かれたということです。

こう見ると、生理学は定義上は残り物の限定された範囲の分野であるかのような感じがしますが、実は全く逆で、生理学を基盤として、専門分野として枝分かれしていっただけで、そのルーツはあくまで生理学にあるわけです。

さらに言えば、「枝分かれしていった形態学、病理学、生化学、薬理学などの他の基礎医学領域を勉強する上で、基盤の知識として知っておかなければならない学問」ということです。

医学部新入生に向けて

ここまで読んでいただけばわかるでしょうが、医学部教育の代名詞である解剖学も重要な学問である一方で、生理学は解剖学を含む様々な領域の基盤となるという意味で、解剖学と同等かそれ以上に重要な学問です。

1年生の勉強は「一般教養」が多くを占めることもあって、「医学部に入ったのだから医学部らしい勉強がしたい、だけど何から勉強すべきかわからない」という方は少なくないと思います。

個人的には、生理学を始めに勉強されることを圧倒的におすすめします。

やや難解な内容もありますが、生理学の教科書で解説されいていることを一度しっかりと理解することができれば、それ以降の基礎医学の学問で苦労することが少なくて済みます。

さらに、生理学=正常な機能をしっかり理解しておけば、「そのどこがどう異常になることで、どのような疾患に至るのか」という病理学や病態生理学、ひいては各疾患の勉強 (=臨床医学)というより医学部らしい勉強につなげることができます

その勉強方法については、CBT(医学部4年次前後で受験する全国共通の試験)の対策の中で触れていますので、是非こちらもご覧ください。

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(※この記事は、シリーズ「医学部医学科の合格者に告ぐ。」の一部です。)

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