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【本当に安泰!?】医学部の就活概要

医学部
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(※この記事は、シリーズ「医学部医学科の合格者に告ぐ。」の一部です。)

「医学部は職業訓練校みたいなもんだし、就職も困らないよね」というイメージをお持ちの方も多いと思いますし、実際それをメリットとして医学部進学を目指された方も少なくないと思います。

今回は医学部の就活がどのような形で進むのかその内情を紹介したいと思います。

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医学部卒業後の「就職」とは。

「医学部の就活」について紹介する前に、「就職」が何を意味しているのかをはっきりさせねばなりません。

医学部卒業後の流れを交えて説明したいと思います。

詳しくは以下を参照してください。

医学部卒後の進路について【研修医から新専門医制度まで】
(※この記事は、シリーズ「医学部医学科の合格者に告ぐ。」の一部です。) 今回は、医学部卒業後に医師としてどのような道を歩むことになるのかにフォーカスを当てたいと思います。 医学部に入学される方...

ここでは概要のみ説明します。

医学生は、医学部6年で医師国家試験を受験し、卒業とほぼ同時くらいに晴れて「医師国家資格」を得た上で、「医籍」に登録されることで、制度上は「立派な一人の医師」として医業を行うことができます。

しかし、実習を経たとはいえ実地経験は皆無に等しく、もちろん修練が必要な立場にあり、2年間の初期臨床研修を修了することが、医師法によって義務付けられています。初期研修の後に、再び医籍に登録し、正式に診療に従事する許可を得ることになるのです。

この初期研修を実施する病院を決定し、採用されるまでの流れが、医学生の就職活動ということになります。

もちろん、2年の初期研修で「一人前」になるのは到底難しく、その後、自分の専攻したい専門科の専門医を取得するために「後期研修」へ移行することになり、またここでも受け入れ先を探さなければなりません。(初期研修病院と同じ病院に残る人や、後期研修を見越して初期研修病院を選択する人も少なくありません)。さらには「専門医」を取得した後にも、今度はスタッフとして採用してくれる病院を探さなければなりません。

医学部卒後の進路について【研修医から新専門医制度まで】
(※この記事は、シリーズ「医学部医学科の合格者に告ぐ。」の一部です。) 今回は、医学部卒業後に医師としてどのような道を歩むことになるのかにフォーカスを当てたいと思います。 医学部に入学される方...

確かにトータルでは医師は供給が不足しているため、プログラム・病院や勤務地を選ばなければ「職がない」という状況には陥らないのですが、都会を始め、人が集まるところでは競争原理はは十分に働きますので、医師免許をかざせば何でも言い分が通るという幻想は捨てなければなりません。結局資本主義の競争社会です。

医学生の就活

話が大きくなってしまいましたが、以降は医学生の「就活=初期研修の病院選び」がいかなるものか紹介しようと思います。

「マッチング」ってなに?

以前は、そのまま出身大学で研修したり、大学と関係の強い関連病院でエスカレーター式に採用されて初期研修を行うことが多かったようです。

しかし、現在はこのしがらみが幾分か解消されており、制度上では全ての大学の学生が全ての臨床研修病院に応募することができます。(もちろん大学と関連病院の繋がりも残っていますので、その繋がりが有利・不利に働くことはあります。)

このシステムを「マッチング」と呼び、大学でも病院でもない第三者機関が運営しています。

学生側は、好きな病院を選んで応募します。ほとんどの病院が就職試験(内容は病院によってまちまち)を課していますので、これを受験します。日程が許せば複数の病院に応募することも可能です。

一通り就職試験が終了した段階で、学生は自分が応募するプログラムの志望順を第三者機関に登録します。

一方で、病院側も受験者を採用したい順にランキングして第三者機関に登録します。

この後に、一定のアルゴリズムに従って学生と病院を結びつけ、研修病院を決定する。これが「マッチング」という仕組みです。

就職試験の内容や採用の基準は?

上述の通り、就職試験や採用基準については、各病院が独自に決めることになっています。

したがってその内容はまちまちで、面接だけの病院も存在すれば、何段回かに分けて試験を実施する病院、小論文を課す病院、手技を課す病院と様々です。

何を基準に採用順を決定するかについては、病院の採用担当の方のみぞ知る、という感じです。採用の手順を公開している病院は、筆者は見たことがありません。

参考とされるものの例として、上述した採用試験の出来のほか、CBTの得点、留学経験、課外活動 の取り組みなどなど挙げればキリがありませんし、病院の研修医採用のポリシーに依存するところが大きいでしょう。

病院見学

 就職試験を課すとはいえ、病院側としては書面や数時間の接触のみで採用を決定するのは病院側としてもリスクが伴います。

また、学生側としても、マッチングの仕組みで選択肢が増えた以上、自分の目でその研修病院の研修内容を見極め選ぶ必要があります。

以上の2点を両立するのが「病院見学」という仕組みです。ほとんどの研修病院が病院見学の受け入れを行っています。

(各病院HPの採用ページに行くとその詳細が確認できる場合が多いです。)

 

学生の視点で言い換えると、

  1. 臨床研修病院を選ぶ上での情報収集
  2. マッチングに向けて自分を売り込む機会

の2点が病院見学の大きな目的です。「見学」とは名ばかりの立派な就職活動であることが理解できると思います。

 

期間は1日〜1週間、その内容も病院によって様々です。

就活の一部という点から、高学年からしか見学受け入れを行っていない病院も少なくないほか、就職試験の受験の要件として以前に病院見学に来ていることを定める病院もあります。

個人的にも臨床知識の浅い低学年の段階で病院見学に行っても、いずれの目的も果たせずに終わる可能性が非常に高いので、早くても4年次でスタートすれば良いと思っています。平均的には5年生から病院見学を本格化させる学生が多いように感じます。

一方で、情報を集めておくことは損ではないので、HP等で近場の病院から調べてみると良いかもしれません。

合同説明会

病院見学は1日1件が限界ですので、情報を浅く広く集めたい場合には向きません。

広く浅い情報収集の場として、合同説明会が開催されています。広いホール等に多くの病院から採用担当者や研修医と学生が集まり、各病院がブースを出展して説明会や質疑応答を行っている感じです。

学生としては、1.「臨床研修病院を選ぶ上での情報収集」が大きな目的です。

病院側もプログラムの売り込みを主たる目的としており、採用の一貫として学生を評価している話は聞いたことがありません。よほど失礼なことをすれば別かとは思いますが・・・

医学部就活の流れまとめ

○ 1年次〜4年次 → 情報収集(HP・合同説明会など)

○ 4−6年夏 → 情報収集(HP・合同説明会など)、病院見学

○ 6年夏前後 → 就職試験、マッチング順位登録

○ 6年秋 → マッチング結果一斉発表

(※医師国家試験は6年の2月)

 

お気づきかとおもいますが、希望の病院に就職を決定することと、医師国家試験に合格することは全く別のことです。

場合によっては、「就職先は決まっているのに、国家試験には落ちてしまった」ということもあり得ます。

病院側としてはこのようなことがあっては人事上大きな計算違いになってしまいますので、「国家試験に無難に合格してくれる学生を通したい」という気持ちが働き、採用にもこれが関係してくることは想像に難くありません。

まとめ

医学部の就活についてほんの表層ですが紹介しました。

実習等に割く時間が多いせいか、確かに他学部の就職活動に比べれば、医学生の就活にかかる時間は知れているし、ビジネスマナー的な面に大変ナーバスになっている他学部就活生を見ていると、楽をしているように錯覚することもあります。

しかし、よく考えてみれば、医療業界という特殊な環境の情報戦という側面もあり、かつ医療者となる者としての実力(医学的知識や手技)・人間力(真の人間性のほか、特徴的な人の多い医学生の中でどれだけ採用担当者の目を引けるか)を如実に評価される厳しい世界であることは変わりないように思います。

その他、詳細に紹介してほしい内容等ありましたら、コメントもしくはメールをいただければ幸いです。

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