【東大王】頭脳ブームは機会損失

雑記
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TV番組「東大王」に出演するキングたちのスキャンダルが頻出しています。

この真偽は明らかではありませんが、私は前々から東大王をはじめとするクイズ番組で、IQの優れた現役大学生をTV出演させることについて疑問を感じていました。

今回はこれについて私の考えを述べてみます。

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クイズ番組、面白くない

これは個人的な見解に過ぎませんが、クイズ番組ってあんまり面白くないと思います。こと、「東大王」とか「頭脳王」とかそういった類の難問・奇問系のクイズ番組は全然面白くないです。

その理由は凡人の自分には全然わからないから(笑)。こういう類の番組は指折り程度の回数しか視聴したことがありません。

一般視聴者でも解答する余地のある問題とか、日常生活でのTipsを問題にするとか、そういうことなら視聴する気にもなりますが、難問・奇問を解いて競っている人たちの様子を観戦していてもちっともワクワクしません。

番組制作者の意図にも好感が持てません。視聴者には到底わからない、場合によっては問題の意味すらわからない問題を出題(または演出)して、「雲の上の戦いをみせよう」という考えが見え隠れしています。

「歴代天皇をできるだけ多く挙げなさい」という問題に対して、出演者が凡人離れした数の天皇の名を挙げて「すごい」ならまぁわかるのですが、「高校数学レベルの知識で解けるものを、問題文をやたらとややこしくすることによってあたかも難問・奇問であるように見せかける」といった演出も散見されます。

「クイズ番組」として全然面白くないはずのこういった番組が視聴者を喜ばせ、長続きするのは出演者に魅力があるからでしょう。

東大王はテレビ局の道具?得をしている人は誰?

誤解を招きうる表現ですが、難問奇問系のクイズ番組に出演する「知能が非常に高い人々」は、視聴率獲得の為の道具として利用されているという表現もあながち間違いではないと思います。

テレビ局としては視聴率=売上なわけですから、視聴率を稼いでくれる彼らの存在はプラス材料です。確かに彼らを起用することは良い経営判断かもしれません。

また、出演者本人たちとしても、出演料をもらって名を売ることができる、または自己顕示欲を満たすことができるという点でメリットはあります。(今回のようにスキャンダルが出回れば一気に風向きが変わるので一長一短かもしれませんが。)

次に、視聴者としても東大王たちのファンとしてTV視聴を楽しむことができます。昨今のブームは彼らを偶像化するレベルにも至っているように思います。

製作者、出演者、視聴者みんな得してるんだから良いといえばもちろんそうですが、本当に彼らが出演者であるべきなのだろうかと疑問に思えてなりません。

ノブレス・オブリージュ

凡人である私としては、「東大王」と崇められるほどの非常に優秀な能力を持つ彼らには、是非とも凡人にはできない仕事をして頂きたいという希望も捨てきれません。ノブレス・オブリージュです。

私は「今後数時間楽しい時間を過ごす」のと、「数十年後に自分がかかるかもしれない難病を治療する術が出現する」のとでは、絶対に後者を希望します。「能力が非常に高いのはわかったから、TV番組なんかで油を売ってないで、自分の興味のある学術を突き詰めて進めてくれ」というのが本音です。

どれだけ能力が高い人でも時間は有限です。せっかく能力が高いのにコメディアンという副業に貴重な学生時代の時間を割くのは社会的な面からはもったいないことなのではないでしょうか。

もちろん、そんなこと本人たちの自由であることは承知していますが、芸能人・タレント・コメディアン・お笑い芸人と呼ばれるその道のプロが数多いる中で、わざわざ高いIQを視聴者を喜ばせる道具として起用されるだけでなく、本業とは関係ないところでスキャンダルが流布してキャリアを台無しにするリスクを負うのはもったいないと思うのです。

味を占めて彼らを起用するテレビ局も、彼らを崇める視聴者も、短期的なブームを推し進めることで彼らが生み出すかもしれなかった社会全体の利益が失われうることに配慮すべきではないでしょうか。

「TVに出演しようがしまいが優秀な彼らにとって今後の偉業には関係ない」と反論を買いそうですが、「時間の経過」だけは秀才にも凡人にも平等に訪れる以上、彼らが生み出すはずだった利益についての機会損失は確実に生じているはずです。(もちろんテレビ局の売上を通してGDP向上に寄与しているのでしょうが・・・)

学業を本業とする大学生、特にその中でも最も優秀な層の能力や時間を、短期的な娯楽や利益のために起用することについて、この機会によく考える必要がありそうです。

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