(※この記事は、シリーズ「医学部医学科の合格者に告ぐ。」の一部です。)
医学部生活の6年間を良くも悪くも大きく左右するのが、部活・サークル活動です。
入学後数カ月に満たない期間で、6年間の生活を左右する選択を迫られることになります。
以下は、医学部の合格者・新入生には是非読んでいただきたい記事のひとつです。
部活・サークル選びの重要性
医学部に入学することになって受けた最大の洗礼が、新入生の部活・サークルへの勧誘活動、いわゆる「新歓」です。
大学の合格発表会場で合格を手に入れた瞬間から勧誘活動が始まる大学もあります。
自分の受験番号を見つけて喜んでいるところを、ゴツゴツのラグビー部員?アメフト部員?に取り囲まれて胴上げされ、気づいたら無数のチラシを手に握らされていたという経験をされた方も少なくないでしょう。
もちろんどの大学・学部においても、自分の部活・サークルを反映に導きたいという思いから、勧誘活動が熱心に行われるのでしょうが、医学部の学生の部活動・サークル活動にに対する思い入れには並々ならぬものがあるようです。
その理由は色々あるようでここでは割愛しますが、朝から部活、暇な時間があれば部活、夜も部活、土日も部活、日頃一緒にいる人も部活、進級や進路に関わる色々な情報を得るのも部活と、医学部の生活が部活を中心に回っている人は結構な割合存在します。
注意しなければならないのは、勧誘にに際して大学内外含めて友達や情報を得られるなどメリットが強調されますが、それ相応に失うものも多い場合があるということです。特に所属することで「時間」と「お金」が瞬く間に消えていく部活も少なくありません。
6年間の生活を左右しうる部活・サークルを選ぶ段階にある入学後数ヶ月は、6年間で最も慎重にならなければならないフェーズのひとつといっても過言ではありません。
医学部◯◯部
複数の学部を併設する総合大学であって、その中に◯◯部が存在する場合であっても、医学部に独自で「医学部◯◯部」というコミュニティが存在するというケースは多いです。
わざわざ医学部で独自の部活動を設けていることには様々な理由が考えられますが、一つとして、医学生・医療系学生のみが出場できる大会が存在することが挙げられます。
特に、医学科の学生が出場することができる「東医体」「西医体」「全医体」は運動系部活動に所属する医学生が1年で最も重要な大会と位置づけています。
実習や試験勉強に追われる毎日ですから、どうしても競技レベルとしては大学インカレで頑張っている学生には及ばない傾向にあります。そのような中で、医学部単独の大会や部活を設けることで、体力づくりはもちろん、横の繋がりを得ることも目的の一つとしていると考えられます。
また、医学部が全学・本学のキャンパスと異なる地区に設置されている場合が多いことも一因でしょう。
医学部の部活・サークルに所属するメリット・デメリット
じゃあ何に気をつけて部活を選べばいいのか?というお話になりますが、その前に、部活で得られるもの、失うものを整理してみます。
部活で得られるもの・メリット
- 学内でのコミュニティ(居場所)を得られる
- 縦の繋がり(先輩後輩関係)ができる
- 横の繋がり(他大学の学生との人脈)ができる
- 人間関係のマネジメント力が身につく
- 進級のための情報(過去問、試験対策など)を得られる
- 進路に関する情報(研修病院など)を得られる
- 体力(運動系部活動の場合)・精神力を養える
- 恋人を得られる(!?)。
特に、将来医師として働く上で、OB・OGとの繋がり、先輩後輩関係や、近隣の大学の学生との繋がりは何かと役に立つことが多いでしょう。また、進級が難しい大学が存在する中で、試験対策や過去問の引き継ぎ等を部活ごとに行っている大学も少なくありません。
部活やサークルに所属することで、医学部で生活し、後に医師となる上では大切なメリットをたくさん享受することができるのは事実です。
なんなら、人生の伴侶までここで見つけてしまう学生もいます(笑)。
部活で失うもの・デメリット
- 時間を失う
- お金を失う
- 生活の自由度を失う
医学部の生活において、部活・サークルといったコミュニティが重要視されている分、所属先によっては大きなデメリットを被らなければならない場合もあります。
例えば、競技に対する熱意が強い部活では、朝から練習したり、原則毎回参加しなければならないなど、時間的拘束が大きい場合があります。
競技にアツい人がたくさんいれば競技レベルは上昇し充実を感じられるかもしれませんが、ゆるーく楽しく運動して、自分の時間も大切にしたい人にとっては窮屈なコミュニティとなってしまう場合があります。もちろん逆も然りです。
また、大学生として活動範囲が広がる分遠征のための費用がかさんだり、競技によってはそのための道具を揃えるのにお金が必要だったりと、資金的余裕がないと厳しい部活動もあります。
競技以外の部分でも、非合理的な「伝統」に従わなければならないとか、上下関係が必要以上に厳しいとか、飲み会が上品でないとか、参加したくないイベントに参加しなければならなかったりとか、リベラル派の私から見ると前近代的な理不尽さを残す部活が少なからず存在します。
上記は一例にすぎませんが、所属する部活動によっては、自分の生活の自由度が大きく狭められ、せっかくの6年間の医学部生活のQOLを低下させることに繋がりかねませんので、部活動・サークル選びには注意が必要です。
良い部活・サークル
私自身の考える「良い部活・サークル」とは、
個人の価値観の多様性とコミュニティとしての協調性を両立している団体
です。
どのようなコミュニティにあっても、まずは個々の考えを尊重し、色々な所属の仕方を容認すべきです。その上で各人が協調し、コミュニティ全体として良いものを生み出していくということが理想的なあり方だと思います。
これは、医療の現場でも大切な考え方ではないでしょうか。各職種、患者さんも含めた各人のそれぞれの立場・考え・価値観は異なるけど、目指す最終到達点は同じです。
というのは筆者の考えですが、各々の価値観に合致したコミュニティに所属できると良いものです。
やや抽象的になってしまいましたが、記事を改めて、具体的に部活・サークルを選ぶときのポイントを紹介したいと思います。
(※この記事は、シリーズ「医学部医学科の合格者に告ぐ。」の一部です
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