(※この記事はシリーズ「USMLE STEP1 合格体験記」の一部です。)
USMLEを受験するにあたり、多くの方が直面する問題のひとつは、「受験日(期間)いつに設定するか」ということでしょう。
- 受験までの手続きが煩雑そうだから早めにしておきたい。
- でも、手続きを始めて早々に『受験いつ頃にしますか!?』『受験料振り込んでね』と言われるらしい。
- その将来学力に目処が立っているのかわからない上、受験料は安くない・・・
と多くの方が悩まれると思います。
実際私も受験をいつ頃にするかについては結構迷いました。
本記事では、USMLE受験までの簡単な流れと、私自身が受験日を決定するに至った経験を記します。
これから受験される方に少しでも参考にしてもらえればと思います。
USMLE 受験申し込みの流れ
申込みの流れは刻々と変化しているようです。
私が受験したのは2018年9月ですが、2019年の1月現在で既に申し込みの手順が変化(公証が必要になった)しているようです。
また、現役で医学部に在籍しているのか、卒業生なのかでも手続きが異なります。
さらには、現役医学部生の在学確認についても大学ごとで手続きが異なるようです。
ここでは筆者自身が2018年9月に受験するために辿った流れを示しますが、必ずしも現状と同じではないことをご了承ください。
また、本記事では申込みの時系列に主眼を置き、どのように受験期を決定していくかにフォーカスしたいと思います。フォーム等の詳しい記載方法などは割愛しますので予めご了承ください。
ECFMGへの登録
まずはECFMGという、米国/カナダ以外の医学生の医業資格について扱う機関に登録する必要があります。
ECFMGのホームページより登録を行います。現代的に言えば「アカウントの作成」をイメージしてください。
アカウント作成を申請すると、数日〜1週間程度でログインに必要な情報が書かれたメールが送信されてくる感じだったと思います。
この段階でECFMGに対して登録料的なもの(75ドル)の支払いを要求されました。
※
現在はこの手続の後に、「公証」という手続きが必要であるようです。登録した人間が、本当に本人であるのかを、「公証人」と呼ばれる人に認めてもらう手続きです。50ドルかかるようです。従来は米国の公共施設(日本なら大使館など)に赴く必要があったようですが、現在はwebカメラを駆使してONLINEで手続き可能のようです。
筆者もECFMGにログインしてみたところ、「公証」を行わないと、アカウント内で他の手続きができないような感じになっていました。次はSTEP2 CKを受験予定ですので、近々手続きしようと思います。
USMLEの受験申し込み・申請
ECFMGへの登録が済んで、自分のページにログインできるようになると、USMLEの各STEPの受験申請が可能になります。
フォームへの記載が複数ありますが、これは言われたとおりに自分のステータス等について記入していけば済みました。
しかし、ここで以下の2点について決断しなければなりません。
- 受験料の支払いを求められる。
- 受験期間(3ヶ月)の決定を迫られる。
※受験期間については、有料(1万円はしなかったと記憶しています)で次の3ヶ月に変更できたと思います。
これらを決断してONLINEでの申込みを済ませると、ECFMG側での承認が行われ、一定期間後(筆者の場合は2週間強)後に、ECFMGから手書き用の「申込書」的なPDF(Form183 )をダウンロードできるようになりました。
今度はこちらに必要事項を記入して、大学の責任者(医学部長)からサインを頂き、ECFMGへ郵送で送付します。
(このあたりは大学にお願いすることになりますが、筆者の場合は過去にも少なからず受験者がいたようでスムーズに手続きしてくれました。それでもご多忙の医学部長のサインを頂くのには少し時間がかかったようですが・・・)
さらに一定期間(筆者の場合は2週間弱)で、ECFMGより申込みを受理した旨と、日程の決め方に関する案内メールが送信されてきました。
プロメトリックを通した日程・会場決定
以降は、「プロメトリック」という様々な資格試験の運営を受託している機関とのやりとりになります。
(ネットで申し込みでき、ECFMG側からコードが発行されるのでこれを用います。電話でも申込みができたかもしれません。)
この段階で、以下を決定することになります。
- 受験地の決定(日本の場合:東京 or 大阪)
- 受験日の決定(ECFMGに申請した3ヶ月の中から選ぶ)
受験日については毎日受験可能というわけではなく、プロメトリックのweb上で受験可能な日を選ぶ形になります。
プロメトリックでの受験手続きは申し込みだけでほとんど時間はかからなかったと記憶しています。一度決定した試験日も、早い段階なら簡単に変更できたと思います。
ここまでで晴れて受験の申請が完了したことになります。
大きく時間がかかるところは、ECFMG側のプロセスで、
- Onlineで受験申請してから申込書(Form183)をダウンロードできるようになるまで(筆者は2週間強)
- 申込書(Form183)を大学で記入してもらい、郵送してECFMGに認証されるまで(筆者は2週間弱)
の2点でしょうか。それぞれ書類や記載事項に不備があればrejectされてやり直しということもあるようですので、ある程度早めに手続きを始める必要がありそうです。
筆者の例
私はまず、2018年3月(受験の6ヶ月前)にECFMGへの登録手続きを行いました。
登録料は上述の通り1万円しなかった(今考えれば登録だけに結構支払っていますが受験料と比較して安く感じていたようです。)、自分を鼓舞するためと思って、早めに、あっさりと手続きを終えてしまいました。
次のUSMLE受験の申込み(受験期間の決定と受験料の支払い)については、2018年5月半ば(受験の4ヶ月前)に開始しました。
受験期間は2018年の9月〜11月で設定しました。
その後諸々の手続きを経て、プロメトリックで日程を選べるようになったのが6月末でした。
USMLE受験期間(3ヶ月)をいつにするか問題
ここまででご理解いただけたと思いますが、
「受験手続き開始から試験日を選べるようになるのに結構な時間がかかるのにも関わらず、手続き初期の段階で多額の受験料の支払いと受験期間(3ヶ月)の選択を迫られる」
という難しさがあります。
筆者のオススメ案
私自身、どうしたものかと結構悩んだのですが、ズバリ
「少なくとも合格はできるであろうというレベルに達したところでUSMLEの受験手続きを開始する」
というところに落ち着きました。
自分の現状レベルはNBMEの模試を利用して把握されることをおすすめします。以下の記事に紹介する通り、NBMEの模試は本番の点数をかなりリアルに予測すると評判です。
まず、多くの方が考える通り、合格する目処が立たないのに15万円を支払って受験期間まで決定しなければならないというのは結構なギャンブルだと思いますので避けたほうが良いでしょう。
「背水の陣で望んで自分を追い込んでやる!」という方は申込みしても良いかもしれませんが、私は石橋を叩いて割るタイプなのでできませんでした。
一方、自分が満足できるレベルに達してから申込みを始めていては受験日程が遅くなったり、予定を立てにくくなってしまいます。
時間に余裕がある方はこれでも良いかもしれませんが、いかんせんSTEP1は暗記量が膨大ですので、満足レベルに達してからから数カ月間トップパフォーマンスを維持するには結構な努力が必要だと思います。
以上を考えて私は中間点をとりました。
- 少なくとも合格はできそうだ、というレベルは担保して受験の申込みを開始、支払いを行う。
- その上で、自分が到達したいレベルまであとどれくらい勉強が必要かを計算し、臨床実習等の予定も勘案して受験期間を決定する。
- 満足いくレベルに達することができなければ最悪3ヶ月期間を延長する。
このようにすることで、合格可能性はしっかり担保してリスクは減らしつつ、自分の目標レベルまでの勉強期間を逆算し、かつ残りの期間は締め切り効果をしっかり活用するという、イイトコ取りができるのではないでしょうか。
上述の通り、最悪の場合は3ヶ月期間を延長すれば良いワケですから、目標レベルに達しなかった場合のリスクヘッジも可能です。
もちろん各時点での実力把握のためには模試を受験する必要があるわけですが、オンライン受験自体は簡単ですし、USMLEの受験自体にかける金額や、日程調整に失敗すること思えば模試費用もそれほど負担ではないはずです。
まとめ
申込みの流れ等は時間とともに変化しうるため、あくまでも筆者の体験談として捉えていただきたいと思いますが、受験期間決定の参考にはして頂けると思います。
少しでもお役立ていただければ幸いです。
申し込み・対策にかかった費用については以下の記事も参照してください。
※この記事はシリーズ「USMLE STEP1 合格体験記」の一部です。
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