※この記事はシリーズ「USMLE STEP1 合格体験記」の一部です。
暗記量がスコアと強く相関するUSMLE STEP1においては、直前の対策・勉強が大変重要です。
「直前対策」を効果的に行うためには、日々の勉強でそのための準備が必要になりますので、そういう意味でこれから受験を検討される多くの方に参考にしていただきたいと思います。
直前対策の重要性
USMLE STEP1においては、暗記量とスコアが強く相関します。
以前も記載しましたが、STEP1は語弊を恐れずに言えば「暗記ゲー」です。
もちろんただ覚えていれば良いということではなく、とりあえず覚えている知識がないと、試験本番で「考える道具がない」という状況に陥ります。
そういう意味で、直前の追い込みは非常に重要です。そのためには、直前にある程度まとまって勉強時間を確保できるタイミングで受験日を設定する必要があります。
(本国の医学生も、USMLE STEP1受験前にはまとまった休暇を取れるよう工夫しているという話を聞いたこともあります。)
私自身も、試験は臨床実習期間中に受験しました。
予め各科の臨床実習の情報(拘束時間)をリサーチしたところ、2018年9月にしっかり自習時間を取れそうであることがわかりました。
本来は夏休みに受験したかったのですが、病院見学や部活などでバタつくので、夏休みはなんとか勉強量を維持して、9月に追い込んで9月末に受験、というプランとしました。
勉強したことリスト
USMLE STEP1「直前対策」として身のある勉強をするためには、「直前対策」のための準備を予めしておく必要があります。
その準備も含めて、私が実際にやったことを以下に列挙します。
UWorld マーク問題
問題集紹介の記事でも述べた通り、UWorldでは問題に印をつけておく機能を利用できます。
私は直前に問題演習で追い込みができるように、日々の演習で「直前にもう一度解きたい」と思った問題についてはマークをつけるようにしていました。
「選りすぐりの200問(全体の1割程度)」までに収まればと思っていたのですが、やはりUWorld2周では、まだまだ問題の多くを完全に自分のものにはできず、かなり多くの問題がマークされた状態になってしまって、すべてを復習することはできませんでした。
しかし、わかりきっている問題を直前に解いても得点の伸びには繋がりませんので、直前の問題演習の優先度を決めるという点で、問題集をマークしておいたのはよかったと思いました。
First Aid
USMLE STEP1のFirst Aidには巻末にクイックレビュー的な章がついています。
中でも、snap diagnosisについてまとめられた部分は大変役に立ちました。
これは、
「症候a、症候b、症候c→疾患X」
という形で記載してあり、各疾患の特徴的症候から診断にあたりをつける訓練をすることができます。
USMLE STEP1において、臨床徴候からまずは疾患を診断して、それを元に問題に解答するというプロセスの問題は多く出題されるため、これを直前に復習しておくことで本番に役立てることができます。
また、直前にもなればFirst Aidのどのページも少なくとも数回読んだ状態ですので、ペラペラと眺めているだけでも「あんなことあったなぁ」と復習になりますし、怪しいと思ったらその範囲を再度読み込むことができます。
USMLE STEP1のFirst Aidはこのような形で活用しました。
自分用のまとめノート(Evernote)
CBTや国試の勉強時代から、
- ゴロなどを用いて暗記事項を覚えやすくする
- 後に手軽に復習する
- 一度調べたり考えたことについて、「忘却→再度同じ時間をかけて調べ考える」というロスを減らす
といったことを目的に、自分用のまとめノートを利用していました。
CBT勉強時代はルーズリーフ+ファイリング、国試勉強時代はWordを用いていたのですが、最終的にUSMLE STEP1対策では「Evernote」を利用しました。(現在もEvernoteを引き続き利用中です。)
こちらについても、日々の勉強をしながら、頻出事項や「この項目は忘れそうだから直前にしっかり復習しておきたい」といったことは、マークをしておき、直前にそれらをまとめて復習できるような体制を整えておきました。
私は大阪に前日入りしたのですが、その移動時間などにスマホを使って復習したりするなど、重宝しました。
模試
私は試験の1週間前にNBMEの模試を1回分実施しました。
直前に模試を実施することについては賛否あると思います。
というのも、「治療に影響のない検査は不要」だからです。
NBMEの模試は確かに本番スコアを鋭敏に予測するのですが、それを本番直前にやっても軌道修正にかけられる時間が少ないからです。ひとつできることがあるとすると、あまりにも結果が悪ければ、受験日を延期することができるということでしょうか。
直前の変更には変更料金がかかるのですが、米国の研修プログラムのマッチングでは、「STEP1を1発で・高いスコアでPASSしているか」という点に主眼が置かれるため、「中途半端な得点で合格してしまった」とか、「不合格の履歴を作ってしまった」ということが不利に働くことがあります。
そういうところまで見据える方にとっては、直前に模試を受験して実力を確認しておくことは約に立つかもしれません。
私は、受験日を変更するつもりはまったくなく、どちらかというと、「安心材料」が欲しくて、自分の精神安定のために受験したような節があります。
今考えればなんとも都合が良い話なのですが、「良い結果だったら自信を持って、悪い結果だったらまぁなかったことにしよう」という感じで模試を利用しました(笑)
実際の予測スコアは219点でした。もう少し取りたかったのと、最初に受けた模試からの伸びが微妙で若干落胆はしたのですが、本番いつもどおりにやればPASSは固いかなぁという感覚と自信は得られました。
Firecracker
一言でいえば米国医学生の間で爆発的な人気を誇る「USMLE学習・暗記支援ツール」です。
私は日々の学習ではこれを利用しておらず、リサーチもあまりしていなかったので、「直前にちょこっとやればスコアを伸ばせる魔法のお箱」のように捉えていたのですが、これは誤りでした。
これについての詳細は、Firecrackerの紹介としては以下の記事に詳述していますが、やはりこれを直前のスコア上昇に役立てるためには普段からFirecrackerを活用して勉強している必要がありそうでした。
(逆に、普段からFirecrackerを利用していればかなり有益な学習ツールであろうと感じました。)
普段から使っていなかった勉強ソースを直前に駆け込みで利用するという行為について、あまり賛同は得られないと思いますし、私自身前述した対策に徹してもよかったなと思っています。
とは言いつつも、苦手な分野に絞って勉強することができましたので、無駄ではありませんでした。
+αで注意したこと
体調管理
1日丸々かけて受験することになります。
体調が優れないとカラダがもちませんので、直前はしっかり睡眠時間をとり、また食べ物にも気をつけるようにしました。
当日へ向けて
初めての会場で初めての試験を受験するという点で、持ち物や行動にヌケモレのないよう注意しました。
事前に案内される持ち物はそれほど多くはないのですが、受験票や身分証明書を含めて忘れると受験できなくなるものがありますので、予めしっかり確認しておきました。
まとめ
以上、私が直前対策で意識したことの概要です。
うまく行かなかった部分も一部ありますが、「直前の詰め込み」のための準備を予めしておくことが、STEP1合格につながったと感じています。
その他、追記のご要望があれば是非コメントをお寄せください。
次回は前日の過ごし方についてです!
(※この記事はシリーズ「USMLE STEP1 合格体験記」の一部です。)
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