筆者自身は共通テストの前身「センター試験」を受験していますが 、高校生からよくされる質問の一つとして、
「共通テスト(マーク試験)の数学で得点を伸ばすにはどうしたら良いですか」
というものがあります。
その方法は様々ありますが、ここでは特に
- 実際に解いているその時に役に立つテクニック
- 勉強しなくても実践できること
を中心に2つの重要なポイントを紹介します。
特に、「時間が足りない」という悩みを解決するヒントとなるかもしれません。
詰まったら飛ばせ!
最も重要なポイントは、
「解答に詰まったらその問題はパスし、リセットして次の大問または小問に臨む」
ということです。
「解き方を思いつかない」なんて状況なら問答無用にその問題はパスです。
加えて、「解き方はわかってるはず、立式も正しいはずなんだけど答えが枠に合わない」みたいな状況でも、その瞬間にパスします。粘りたくなる気持ちはわかりますが、パスです。
即座に次の大問または小問へ取り組むようにします。
もちろん、パスした問題を捨てるわけではありません。重要なのは、できるだけ早い段階で解答しなければならない4つの大問の出題内容を把握することです。その上で、パスした問題は後で戻って解答すれば良いのです。
その意味で、必ずしも大問1から解かなければならないということもありません。
このようにおすすめする理由はいくつかあります。
まず第一に、全体として60分しかない試験で、分からない問題に固執することは、他の問題の解答時間を減らすことに繋がるからです。
「ある問題がわからない、でも解けそうだから粘ろう・・・」と頑張った結果、後に続く問題の解答時間がなくなってしまった経験のある方は少なくないと思います。
「4番は時間があれば解けたのに、1番で時間を使いすぎて解けなかった・・・しかも1番も間違えた・・・」っていうのはあるあるです。
特にマーク試験なら、各大問の最初の方は基本的な知識を問う平易な問題であることが多いため、ここを落とすのは非常にもったいないです。
このような機会損失がないよう、できるだけ早い段階ですべての問題を把握する必要があります。
第二に、「全体の出題を早い段階で把握すると、力を入れる問題・時間配分を調節することができる」というメリットがあります。
「この問題なら解けそう」とか「この問題はどれだけ時間をかけてもムリだろう」とか「大問1はガッツリ考えないと解けないだろうから、先に計算だけ頑張れば解けそうな大問4をなんとか終わらせよう」などなど、全体として得点を高めるような考え方が可能になります。
飛ばしてしまった問題が複数あっても、どこを頑張るべきか
逆に、大問2〜4までどんな出題かわからないのに、大問1のみに集中するのって怖くないですか?
第三に、「出題内容をなんとなくでも早い段階で頭に入れておけば、ひらめきを得られる可能性がある」というメリットもあります。
数学に関わらず、「その日は全然わからなかったけど、翌日になったら簡単に思いついた、理解できた、できるようになった」という経験ありませんか?
これと同様、わからない問題を飛ばしてそれ以降の問題を解く中で、「あ、前の問題って、あれ使えば解けるんじゃ?」といったひらめきを得られることは少なくありません。直接その問題を考えている訳でなくても、頭の中に置いておくだけで思いつきが得られることがあります。
もちろん必ずしも頻度の高いことではありませんが、逆に問題が頭になければこういったひらめきを得ることはできません。この意味でも、できる限り「どんな問題が出題されているか、自分はどこで詰まってしまったのか」を把握しておくことが重要なのです。
計算式を丁寧に残すこと
時間がなくなる、思うように得点が取れない原因として、もう一つ大きな要因は「焦り」です。
特に数学Ⅱの微分積分など、ゴリゴリ計算して、答えが枠に合わなかったときの絶望感と焦りといったら思い出したくもないものでしょう。
もちろん、上述の通りその瞬間にパスして後で立式からやり直すのも一つの手ですが、それでは少し効率が悪いような気がします。
ここでオススメなのが、「計算式を丁寧に残しておくこと」です。
マーク式の試験なのに、一見無駄な手間に思えるかもしれませんが、「答えが合わない」と焦ったとき、この計算式に沿って一つ一つ見直していくことができ、一から書き直す必要はなくなります。
また、解答後の見直しも効率良くなります。
重要なのは、これら途中式を筆算などのメモ書きと一緒にしないことです。もちろん筆算やメモが必要になりますが、これは途中式とは別のスペースを使うことにしておきます。
こうすることで、その問題の思考過程・計算式・途中式をはっきりと残しておくことができ、見直しや修正の効率がより高まります。
さらに、計算式をひとつずつ丁寧に書いていくことで、そもそも計算ミスを減らすことができます。「=」を書くたびに、式変形が正確か否かしっかりと吟味することが大切です。
まとめ
以上、簡単ですが、数学のマーク試験・共通テストを解答する上でのコツを紹介しました。
「とにかく全体像を早く把握すること」「計算式を丁寧に書き残しておくこと」の2点を意識するだけで、解答時間・正答率を十分改善できますので、是非取り入れてみて下さい。
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