※この記事はシリーズ「USMLE STEP1 合格体験記」の一部です。
前の記事では、とりあえず問題集をやってみたところ、課題①:医学英単語の知識不足、課題②:臨床知識(特に病態生理や治療など)の知識不足が明るみに出たことをお伝えしました。
今回は、これを克服するために筆者が行ったことを記事にしたいと思います。
USMLE対策中断?
上述の課題を克服するため、決断に迫られました。道は2つありました。
- USMLEの対策を続け、その中で課題①及び②を克服していく。
- USMLEの対策は完全に中断し、課題①及び②の克服を日本語で行う。
色々考えたのですが、結局私は後者を選びました。
前者ではUSMLE対策を継続するわけなので、STEP1合格という私の目標にかなった方法でしょうし、勉強自体を英語ですることで、よりUSMLEに慣れ親しむことができるでしょう。しかし、私にとってはあまりにも負荷が大きすぎました。
受験時代の英単語の勉強を思い出してみてください。日本語ですら概念を知らない英単語を容易に覚えられたでしょうか?そんな単語の意味を英英辞典で調べて理解する気になったでしょうか?
ということで、USMLEの対策は一旦完全に中断し、とりあえず臨床医学の各疾患について、日本語でしっかり勉強しよう、という決断に至りました。
臨床の知識の補強(課題②)を最優先とし、その中で余裕があればそれに関わる英単語を勉強する(課題①)という方針としました。
(他の記事で何度か話題にしていますが、STEP1では基礎医学を出題範囲とうたいながらも解答には臨床医学の知識が必須です。下記参照。)
臨床知識を深めるためにやったこと
ずばり、CBTの対策と医師国家試験の対策です。
国内の多くの医学生がCBTや国試に望むにあたりするような学習方法で実施しています。
時期が早いというだけですので、その内容は簡単にとどめます。
CBT対策(3年夏・秋〜3年年明け)
学習内容の概要
主にCBTの問題集(QB)と、参考書(病気がみえる・STEP)を用いて勉強しました。
ルーズリーフを用いて問題を解き、学んだことをまとめていきました。(忘れても再度調べなくて済むよう、理解や暗記に苦戦したものはすぐわかるようにしておきました)
QBはトータルで2周程度できたと思います。臨床医学を勉強するのはもちろん初めてでしたが、かねてから早く勉強したいと思っていたこともあり、どんどん進捗していったことが記憶に残っています。研究室配属等の大学のカリキュラム上試験がなかったりして、かなり自分の時間を得られたことが幸運でした。
最終到達点
CBTの問題をベースに、もっぱらこの勉強ばかりしていたこともあって、3年次の1月の段階で、CBT模試で85%〜90%というレベルまで到達しました。(実際の本番の得点は93%でした。)
国試対策(4年始まり〜4年1月)
学習内容の概要
こちらも型のごとく、QBを購入してトータル2周しました。1周目は紙ベース、2周目はオンラインでやりました。
そのときの持てる知識を駆使して問題を解くことを通し、知らないこと・勉強すべきことを把握してまとめていきました。
CBT同様まとめノートを作ろうかと思ったのですが、これではCBT、国試、USMLEとそれぞれまとめたことがバラバラに散らばってしまうと懸念されたので、Wordで「まとめノート」を作り、暗記や理解に難渋したことを、忘れたときに一から調べなくても済むように知識を蓄積していきました。(このまとめノートについては記事を改めて記載しています。)
最終到達点
国家試験の過去問を1年分解いたところ、無難に合格する程度までには知識を得られました。
nが少なすぎてなんとも言えませんが、「必修や禁忌を理由には落ちない」というレベルには達することができたと思います。
まとめ
結局、CBTや国家試験の受験生がやるようなことを時期を早めてやったということに終始しますが、1年半程度でここまで仕上げるのは忍耐が必要ではありました。しかし、STEP1合格の目標や、臨床医学への好奇心もあって、それほど苦ではありませんでした。
但し、やはり「臨床知識の獲得」で精一杯であり、もう一つの課題であった医学英単語の強化については、ふと思い出したときに疾患の英名を確認する程度になってしまいました。
次の記事より、本格的にSTEP1対策に突入していきます。
(※この記事はシリーズ「USMLE STEP1 合格体験記」の一部です。)
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