※この記事はシリーズ「USMLE STEP1 合格体験記」の一部です。
以前の記事で、とりあえず問題集を解いてみた話を書きました。
今回はそれで浮き彫りになった課題を記します。
初めて問題集をやって明らかになった課題
判明した課題は以下です。
- 専門的な医学英単語がわからない。
- 臨床医学の知識が圧倒的に足りない。
医学英単語がわかならい
これは想定できていました。問題文の設定の雰囲気や聞かれていることは十分理解できるのですが、問題文や選択肢に含まれる専門的な医学英単語がわからず調べないと解答できないものが多くありました。
臨床の知識が足りない
こちらは想定外でした。「出題範囲は基礎医学なのであれば、3年になってそれなりに専門科目の基礎医学の勉強をしていた自分としては、内容で大きく躓くことはないだろう」と考えていたからです。
「STEP1では臨床医学は出題範囲ではない」というのが思い込みだったのです。。。
例えば
- 「この患者は疾患Aと判明したが、似た機序の中からどの薬を第一選択に選ぶか」
- 「この患者がERに来たとして、最も急ぎで施行する検査はどれか」
などといった実臨床の知識は確かに不要なのですが、少なくとも
- 「この患者は疾患Aと判明し、薬Bを使うことにしたがその作用機序は何か」
- 「この患者のER初療の検査Xで異常値が検出されたが、どういう病態が考えられるか」
という系統の問題は出題されるわけです。
実臨床の知識が直接問われることはなくとも、STEP1の問題に解答するにはベースに病態生理等の臨床知識が必要になるのです。
こういった病理学・病態生理学的な知識について、多くの日本の医学生が基礎医学でなく臨床医学の領域に含まれると認識しています。実際私もそう認識していました。
その認識が正しいか正しくないかはさておき、とにかく、基礎医学が出題領域とされるUSMLE STEP1でも、臨床の知識(特に各疾患の病態生理と治療)についての知識がベースに必要なのです。
私は病理学の履修も終えて試験にも合格していましたが、各臓器ごとに整理された疾患の知識がなく、医学英単語云々の前にこれを構築することが急務であることを実感しました。
さらにもう一点。「CBTでは出題されないけど国試で出題される疾患群」って一定数存在しますよね?この疾患群が、USMLEでは平気で出題されていました。メディカルスクール2年目でSTEP1を受験する米国の医学生の勤勉さが垣間見えた気がしました。
まとめ
USMLE STEP1の出題範囲は「基礎医学」とされていますが、実際は系統立てた疾患の知識(特に病態生理と治療)が必須となります。確かに「臨床医学も重要だよ〜」というお話を伺ったことがあったのですが、ここまでとは思いませんでした。これから対策される方は是非注意してください。
以降の記事では、この課題2点をどのように克服したかを公開していきます。
(※この記事はシリーズ「USMLE STEP1 合格体験記」の一部です。)
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