2019年2月に第113回医師国家試験が行われました。
低学年の頃は「国試」などまだ先の話だと思っていたのですが、とうとう次は自分の番となってしまいました。
大学受験においても、受験の前年やその前年に実際に入試本番の試験を解いてみるという試みは行われますが、今回は、来年に向けて第113回医師国家試験を解いてみました。
国試を解答してみた目的
これまで、「在学中にUSMLE STEP2 CKまで取得する」ということを目標に、CBTの対策・国試の対策に早めに取り組み、実際にUSMLE STEP1まで合格することができました。
そのような中で、医師国家試験に解答してみることで現状の実力を把握するということが目的の一つです。
さらに言えば、現在の実力をはかる目的は、1年後に実際に受験することになる医師国家試験に向けての対策を練るためです。
現状STEP2 CKに向けて鋭意対策を行っており、少なくとも6年夏頃まではかかる予定です。
もちろん並行して日本の国試の対策も行っていく予定ですが、国試合格にどのような内容・量の勉強が必要になってくるかを把握しておかないと、「STEP2 CKには合格したが、日本の国試には落ちた」となっては笑い事ではすみません。
したがって、出題の内容や難易度も気にしながら問題を解いてみました。
第113回医師国家試験を解いてみた感想
先程も少し述べたとおり、筆者はQBを用いて国家試験の問題を何年分も解いた経験があり、この経験と比較しつつ、113回についての感想をお伝えしたいと思います。
一言で言えば、「易化」を感じました。
「医師」という国家資格を与える試験のくせに、易化とは何だ!?という声が聞こえてきそうですが、実際に簡単になったのは事実だと思います。
同時に重要なのが、より実用的な試験になったと感じる点です。
古いの国家試験は、いわゆる「重箱の隅をつつく」問題の出題が多く、
「それ、実臨床で覚えることにそれほど意味はないし、仮に必要になったとしても調べる余裕が十分あることじゃない?」
「臨床の場で知っておくべき実践的知識など、他にもっと問うべきことがあるんじゃない?」
と感じるものも少なくありませんでした。
第113回医師国家試験は、こういった問題が劇的に減少し、臨床研修医として働く上で重要になってくる判断や知識にフォーカスが向くようになってきた印象を強く受けました。
すでに合格された先輩方からは、
「国試が終わったら国試で勉強したこと忘れちゃうよ」
と聞く機会も多くあったわけですが、
「今後は医師になってからも活用できる知識を問う方向へシフトさせるよ」
という厚生労働省のメッセージを感じました。歓迎されるべき変化ではないでしょうか。
そして、USMLE STEP2 CKの受験に向けて問題集を解いている中でしたので、もう1点。
「問題の内容・形式ともに、USMLE STEP2 CKにかなり寄ってきた」
6年生になるにあたり、実習・卒業試験の勉強をしながら国試・STEP2 CKの勉強を両立していこうとしている筆者にとっては大変ありがたいことで、今後の勉強計画が立てやすくなりました。
結果
各種予備校から発表されている解答速報をもとに正答率を計算した結果、
- 必修問題:96%、
- 一般問題&臨床実地問題:82%
という感じでした。
以前QBを解いてみたときに、必修問題の正答率が芳しくなく、やや恐怖を抱いていたところがありましたが、2 CKの勉強が功を奏している感じでしょうか。「合格」という点だけみればあとは禁忌肢を踏まないようしっかり勉強するのみです。
現状全く勉強していない公衆衛生や、普段からあまり気にしていない疫学については圧倒的に知識が不足していました。
特に、公衆衛生については医学統計をはじめとして、医師としてEBMを実践するために基礎となる知識の出題がやや難しくなっており、こちらも昨今の事情を反映しているように感じます。
今後こういったところを強化していく必要があると感じました。
国試対策としてもですが、そもそもの論文リテラシーを高めるため、自分が興味のある救急・集中治療系を題材として論文の読み方を勉強するのもありかもしれません。
まとめ
113回医師国家試験は
- 重箱の隅をつつく問題が減り、より実用的な試験となった。
- 形式・内容ともにUSMLE STEP2 CKに似てきた
というのが大まかな感想です。
国試とSTEP2 CKと両者を勉強する上で大変ありがたく、今後の計画がたてやすくなりました。
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