※この記事は「USMLE STEP2CK合格体験記」の一部です。
前回は、STEP2 CKの試験概要・特徴を紹介しました。
この記事では、これを踏まえた試験対策を考えたいと思います。
問題は難だが素直
ここまでの体験記で何度か言及していますが、STEP2 CK対策を振り返ると、STEP1の勉強をしていた頃に感じた「特殊な雰囲気」はあまり感じませんでした。
STEP1は、「問題文は症例提示なのに、問いはガッツリ基礎医学」というところに、日本人としては対策のしづらさがあるように思います。
一方、STEP2 CKの問題は非常に素直で、実臨床で出会うような症例提示があり、その症例について臨床的知識・判断を問う、自然な流れとなっています。
難易度は難しめなのですが、日本の医師国家試験の臨床問題を解き慣れている方なら、問題形式にはすぐ馴染めるように思います。
STEP2 CKに求められるものは?
STEP1の場合、「First Aidを読み込んでバイブル化せよ」としばしば言われるように、「知識量」「暗記」が非常に重要視されます。しかも、その内容が医学部低学年で勉強する基礎医学である点が曲者要素を強くさせます。
STEP2 CKにおいても、問われる臨床知識は幅広く、深いものではあり、覚えなければならないことは少なくありません。しかし、STEP1のように、「知識量・暗記のみが拠り所、覚えてなかったら絶望」ということにはならないように思いますし、(得に、「まずは合格を」というレベルなら、途方に暮れる量ではないように感じます。
しかも、覚えるべき知識というのは、臨床ストーリーの中で、「この症候はこの検査をこの順でする」とか、「この症候があれば、この検査をする」といったような、「意味記憶」的な色が強くなります。この点も、「とにかく暗記」のSTEP1に比べると勉強しやすいように思います。
「暗記ゲー」の要素が弱まる代わりに加わる特徴は、「与えられる情報量が非常に多い」という点です。
とにかく問題文がダラダラと長く、しかも時間が短いという点です。その中から、解答に必要な情報を素早く選び出し、解答する必要があるのです。
対策の第一選択は問題演習(臨床経験)
以上を考えると、対策で最も重要なことは、臨床経験を得ることだと思います。実際に診療している中で必要となる知識が問われるのであれば、臨床の場で修練を積むことが一番だと思います。
米国では、メディカルスクールの最後の2年間は、日本でいう研修医のように働くとも聞きますので、彼らがその臨床経験を糧にSTEP2 CKに太刀打ちできるのも納得できます。
日本人が受験を考える場合も、医師としての一定以上の臨床経験を積んだ上で受験される方が、スコアが良いのではと思います。十分な臨床経験のある3年次以上の先生方としては、問題演習による医学英語と問題形式への親しみのみで高得点が期待できるのではと思います。
一方、学生の間に受験する場合は臨床経験はぐっと少ないし、経験しようと思っても、なかなか臨床実習のみでは満足いく知識量には到達しないでしょう。こうなると、やはり問題演習によって臨床現場を「疑似体験」し、その中で必要な知識を学んでいくことが最善の対策であると考えます。
以下に、問題集を中心として、筆者が対策に使ってみた(検討した)対策ソースを紹介します。
問題集
問題集について詳細は以下の記事にまとめています。
参考書・教科書
STEP1のFirst Aidのようなバイブルはないようです。やはり受験者は知識より臨床経験を大切にしなければならないことがうかがえます。正直、知識のソースとして選ぶなら、重い書籍・参考書よりも、後述のFIrecrackerの方が便利で記憶定着も良いと思います。
Firecracker
STEP2 CKにおいても、Firecrackerの存在感は非常に大きいように感じます。知識のまとめページがあり、綺麗にまとまっているだけでなく、ここから小問集を生成して毎日解かせてくれます。
ただの小問集ではなく、「忘却曲線」「定着度」「設定した勉強範囲」に応じて出題してくれる超ハイテク問題集。米国でも学習のスタンダードです。
Evernoteなど
勉強したことをまとめておき、必要なときに見返せる環境を作っておくことは重要であると思います。
また、勉強する中で、「これは直前に詰め込もう」という内容も少なくありませんので、そういった項目をまとめておくノートを作っておくことがおすすめです。
まとめ
それぞれ詳細が気になった方は、各ページの詳細に飛んでください。
次の記事では筆者がどのような対策方法をとったかを紹介したいと思います。
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