※この記事はシリーズ「USMLE STEP1 合格体験記」の一部です。
医学的知識をしっかりもっていること、普段からしっかり勉強していることを、悪いことだと思う人はまずいません。多くの場合において、人は真面目に勉強してきた人と働きたい・関係を持ちたい・採用したいと思うものです。
USMLE STEP1に合格している人は、現状ではまだマイノリティとして認識されます。
これがあることで自分の知識量と努力量が一定レベル以上にあることを証明し、数多くの医学生・研修医の中で、大きなアイデンティティとして自分を差別化することができます。
生存戦略的な話になるかもしれませんし、本来の「資格試験」の意義とは離れた内容かもしれませんが、これもUSMLE STEP1の勉強をすることの一つの立派なメリットだと思います。
USMLE合格を自分のアイデンティティに
医学生をしていると、自分のアイデンティティをアピールしなければならない場面が多々あります。
病院見学、実習、就職面接、履歴書、飲み会(とは名ばかりの集団面接)などなど挙げればキリがありません。
しかも、そのほとんどで、自分のアイデンティティを満足に伝えられるほどの十分な時間や余白は与えられることはなく、簡潔に自分をアピールしなければなりません。
自分をアピールする一文
具体的に、マッチングの際に、病院側が学生に順位をつけるケースを考えてみましょう。
人気プログラムや倍率の高いプログラムでは、それだけ多くの医学生が全国から応募してきます。病院はその数多の学生に順位をつけていかなければならず、必然的に(良い意味で)目立つ者から高い順位をつけていくはずです。
もちろん医学生もそんなことは百も承知であって、それぞれ先生に上手に自分を売り込んだり、飲み会で場を盛り上げたり、野望を語ったり、真面目さをアピールしたり、難しい試問に即座に答えたり、部活の経験を語ったり、外科手技の技術を披露したりと、それぞれ自分の強みを出し、目立とうと頑張ります。
そんな中で、
「USMLE STEP1に合格しています」
を言えたら、書けたら、採用者にとってどう見えるでしょうか?
この短い言葉の中には少なくとも3つもの意味が含まれていると考えています。
①基礎医学・臨床医学の知識が一定レベル以上ある。
②医学を英語で実践する土台がある。
③以上2点を可能にするために十分量努力した過去がある。
①や②が、医学生の教養の指標として大きな強みとなることに関して異論はないでしょう。
ここで最も強調したいのは③です。
採用時点で、いくら知識や技術があったとしても、諸栓学生レベルです。採用する方の立場に立てば、採用後の研修を勤勉に頑張る医学生が一番欲しいはずです。
「USMLEに合格するだけの努力ができる学生なら、うちの病院の研修も勤勉に頑張ってくれるに違いない」という思考プロセスを味方につけることができるのが、USMLEに合格することのメリットの一つでしょう。
国際色豊かな病院では、USMLE取得の有無・スコアを学生に尋ねるところもあるようですね。
まとめ
もちろん医学生のアイデンティティとして、USMLE STEP1の合格などその一部に過ぎず、他にも価値を生み出すことができる要素は多くあるでしょう。
しかし、USMLE STEP1が誰にでも合格できる試験でないことも事実です。
幸か不幸か、USMLE STEP1だけみても、合格している日本人医学生は未だマイノリティです。
一方で、USMLEを知らない医師などほとんどいないでしょう。
そんな状況下で、
「USMLE STEP1に合格しています」
一文で自分をアピールできるのではないでしょうか。
(※この記事はシリーズ「USMLE STEP1 合格体験記」の一部です。)
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