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【局所麻酔薬の分類】親知らずを抜歯しました。

医学知識(専門家向け)
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実は頬粘膜の一番奥、上下の8番の歯の間にある部分にずっと口内炎のような傷がありました。

直近に歯科口腔外科にローテートしていたこともあり、まさか悪性の病変ではないよなぁとの不安も相まって、放置するよりは歯科・口腔外科に行って見てもらおうということで近医へ受診しました。

ちなみに私は幸い齲歯はなく、歯科にお世話になる経験はありませんでしたので結構緊張しました。

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「親知らずを抜きましょう」

診て頂くと、傷の原因は噛み合わせたときに親知らずがあたって咬傷になっているとのことでした。

成人した頃から周りで「親知らずを抜く」という話をちらほら聞いてはいましたが、私は歯科に行くのが億劫で耳を塞いでいた節がありました。

が、とうとう親知らずを抜くことになってしまいました。。。

7番の生育に影響を及ぼしたり、歯周の炎症の原因となるために抜歯されることが多い8番の親知らずですが、咬傷の原因にもなるんですね。

 

パノラマ写真もはじめての経験でした。

撮影してみると、8番は4本しっかりあって、1本はこの傷の原因、1本は横向きに生え、1本は周りのX線が低下していて炎症の所見、もう1本はおとなしく埋まっているという感じでした。

突然押しかけた感じだったのですが、咬傷の原因となっている1本はそのまま抜いて頂くことになりました。

〜局所麻酔の復習〜

一応手術の扱いとなり、局所麻酔を用いて実施することになります。

局所麻酔にもいろいろあったなぁと考えながら治療を受けました。

今回は、表面麻酔の後に、伝達麻酔によって痛みを抑えていただいたようです。

局所麻酔の分類など

  • 表面麻酔:皮膚や粘膜の表面に噴霧・塗布する
  • 浸潤麻酔:局所に注入する。体表面の小切開や創傷の縫合において、その周囲を取り囲むように注射する。
  • 伝達麻酔:末梢神経の走行部位に麻酔薬を注射し、神経伝導を抑制。(いわゆるブロック麻酔)
  • 脊髄くも膜下麻酔:くも膜下腔に注射する。
  • 硬膜外麻酔:硬膜外腔に注射する。

脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔の違いなどは医師国家試験でも頻出事項となっています。

また、局所麻酔の重篤な合併症として、「局所麻酔薬中毒」があります。アナフィラキシーとは異なる病態です。

本来局所麻酔薬は血中に入ってはならないのですが、何らかの原因で投与した局所麻酔薬の血中濃度が上昇した際、そのNaチャネル遮断作用が中枢神経や心筋の細胞の機能維持を阻害する状況を指します。

局所麻酔薬中毒は、興奮・多弁・痺れといった中枢神経刺激症状にはじまり、痙攣を起こしたり、呼吸・循環・意識の抑制に至ります。

もし発症してしまった場合には、ABCの安定化、痙攣の停止(ベンゾジアゼピン系薬)のほか、脂肪乳剤の投与が効果的であるとされいています。

局所麻酔薬中毒を防ぐために、使用する局所麻酔薬は最小限の量としなければなりません。また、局所麻酔薬にアドレナリンが添加されているものがあるのは、血管を収縮することによって、局所麻酔薬が血中を拡散することを防ぐためです。ただし、耳介、鼻翼、指趾、陰茎などは動脈収縮による壊死に繋がりうるため、アドレナリン添加の麻酔薬は禁忌となります。

さらに、局所麻酔薬を注入する際には、必ず注入前にシリンジを引いて、血液が戻ってきていない(針先が血管内にない)ことを確認しなければなりません。

まだ残り2本・・・

結構出血が長引いたのですが、ガーゼを噛むことで数時間で止血を得ました。(止血の基本は圧迫!)

そりゃこれだけ血が流れ続ければ、口腔内の細菌が血中に侵入して、感染性心内膜炎にもなりますわ・・・という感じを身をもって実感しました。

残り2本はまた日をおいて抜歯することになると思いますが、ひとまずは、口腔内を清潔に保ち、1本目の抜歯を無難に終えたいと思います。

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