西医体茶髪禁止令に思うこと

医学部
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医学生にとっては言わば一年に一度のお祭りということで、見た目からお祭り感を出していこう!という学生も多いことは、医学生の中ではよく知られたことです。

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西医体髪染め禁止に思うこと

髪色を地毛から別の色に変えてみたり、周囲をあっと言わせる髪型にしてみたり。各競技において、毎年の名物になっていたことと思います。一つの「伝統」といっても過言ではありません。

ところが、「今年の西医体では一切の毛染めを禁止する」という噂がまことしやかに囁かれています。

「メディアに取り上げられた際に社会的な視点から考えて医学生の印象がマイナスになりうる」という趣旨のことが理由だそうで、確かに昨今医学生のスポーツでの活躍が取り上げられる機会も増えたかと思いますので、それくらい早急な対応が必要だったのかもしれません。

嘆く学生も少なくないようです。公序良俗に反するような場合を除いては、どのような髪色・髪型をしようとその人の自己決定権の範疇にあるはずという主張もごもっともだし、今まで良しとされてきたことを、突然全面的に禁止することに対して反感が噴出するのも当然のようには思います。確かにやりすぎかもしれません。

例えば、「医学生としてそれにふさわしい身なりで競技に参加するように」程度に留め、参加する者の良識に任せてみる、という手もあったでしょう。

 


 

しかしながら個人的には、「メディアに取り上げられたとき、あまりにも奇抜な頭髪では医学生の印象がマイナスになりうる」という考えは一考に値すると思います。

人は外見に印象を左右される生き物だからです。

動画にしろ画像にしろ、奇抜な頭髪の医学生の個人または集団を目にして、

「一年に一度の大会ともなるとはっちゃけて楽しんでいるんだな、そういう伝統になんだな、そんな彼らも普段は真面目に勉強に勤しんでいるんだろうな」

と推察する受け手は少数派だと思います。

 

そういう姿の医学生をみた第一声はどちらかというと

「こいつら本当に医学生なのか!?」

「こんな奇抜な髪型をする不真面目なやつらに医療を担わせて良いのか!?」

かもしれません。

 

もちろん、「奇抜な頭髪→不真面目」はステレオタイプそのものですが、我々が仕事をするのは、ステレオタイプが「社会通念」として浸透している社会です。

医学生だって大学生であることに変わりないのですが、「医学生」と聞けば一般には病院や医療機関や白衣といったイメージが連想されます。

 

報道メディアだけでなく、SNSを始め「炎上」が起こりやすい昨今、「別にローカルにやってんだから何もそんなことまで考える必要あるかよ」という考えは楽観的かもしれません。

また、メディアに報道されるとかされないとかの問題でもないかもしれません。

例えば競技運営の一部を外部へ委託している種目もあるはずで、「身内だけ」という規模の競技会ではないはずです。また、競技後には所属がかかれたユニフォームを来て街に繰り出すこともあるでしょう。

 

本来なら以上のような考えのもと学生それぞれが自重すべきところ、とうとう他人が口出しせざるを得ない状況・ご時世に至ってしまったのかもしれません。

同じ全力で仕事をしていても、風当たりの強さでいくらでも働きやすさが変わるのが医療の世界、向かい風はあまり作りたくないものです。

決してオシャレを否定しているのではありません。茶髪や金髪が魅力的な方はたくさんいらっしゃるので、むしろ結構なことだと思います。

しかし、伝統だからとか、周りの雰囲気に合わせてとか、西医体/東医体だからとかといって、わざわざ普段やらないことを、節度を超えて実行し、向かい風を作りにいくのは割に合わないと感じるだけです。

実は髪の毛以外にも傷んでいるものがあるのかもしれません。

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